ラブドールは、主に男性が擬似的なセックスを楽しむために作られた、実物の女性に近い形状を持つ人形です。ただし、ラブドールはセックスに限らず、愛玩、観賞、写真撮影などにも使用されることがあります。ラブドールの皮膚や女性性器は、実物に近い感触を再現する素材や形状で作られています。一部のラブドールには、女性性器を模した着脱可能な専用のオナホールも備わっており、洗浄も容易です。
一般的に、ラブドールの頭部は交換可能であり、好みの顔を選ぶことができます。内部には金属製の骨格があり、腕や脚を可動させることができるものが多いです。形状や感触は実物に近いですが、身長は比較的小さく、体重も軽いものが一般的です。また、ラブドールの皮膚にはシリコーン、エラストマー、ソフトビニールなどの素材が使用されています。
シリコーン製ラブドール
シリコーン製ラブドール（シリコーンドール）の多くは、内部に骨格が組み込まれており、一定のポーズを自在に取ることができます。シリコーンの弾力性により、関節を固定してポージングを決めます。また、シリコーンは比重が高いため、内部にもシリコーンを使用することで、実際の人間に近い体重感を実現しています。しかし、シリコーンだけでは動かないため、ウレタンや繊維強化プラスチック（FRP）などの軽量素材を内部に組み込むことで軽量化を図っています。シリコーン製ラブドールは、骨格、内部素材、皮膚の三重構造を持っており、等身大のものでは30〜45kg程度の重量があります。ただし、シリコーンの引き裂き強度は低いため、肛門を作ることはなく、口の開口部も制約がありますが、素材の改良や二層構造により改善が進んでいます。最近では、よりリアルな顔立ちが求められ、清楚系やギャル系、幼い系など、多様な頭部のバリエーションがあります。また、頭部、胴体、腕、脚などの部品が簡単に着脱可能なものもあり、個々の好みに応じて選ぶことができます。髪の毛は専用のウィッグを装着することが一般的ですが、市販のウィッグも使用することができます。
TPE製ラブドール
新しい素材である熱可塑性エラストマー（TPE）は、シリコーンよりも安価で柔らかいため、最近ではよく使用されています。TPEは女性の肌に近い感触を持つとされていますが、傷つきやすいという欠点もあります。
ソフトビニール製ラブドール
ソフトビニール製ラブドールは、価格がシリコーン製に比べて安価です。一般的なフィギュア人形や玩具に使用される小型のソフトビニールと同じ素材ですが、ラブドールはほぼ等身大の大型であるため、ソフトビニールだけでは形状を保つことが困難です。そのため、内部に発泡ウレタンなどを充填して形状を維持しています。骨格はなく、ソフトビニールの部材同士が結合されており、関節は360度回転します。シリコーン製品に比べて丈夫で安価で軽量ですが、実物には見えない外観や、素材の手触りが人体に近いとは言えず、乳房なども硬いという欠点があります。
